+たまたまインタビュー + vol.27「Yasuskiさん」

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5. +たまたまインタビュー + vol.27「Yasuskiさん」
 インタビュアー:フィリップ(ワラビモチ愛好会会長、IAMASアカデミー5期生)
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2019年にMaker Fair
Tokyoで、なんかすごい楽器を作っている人がいると思ったら、私が在学していた頃(2000年)にIAMASにいらっしゃった先輩のYasuskiさん(ミュージシャン)でした。2年ぶりに連絡が取れたので、インタビューをさせて頂きました(ぜひYoutubeも観てください。すごい楽器でした)。

フィリップ(以下P):こんにちは、Yasuskiさんの自己紹介をして頂けないでしょうか。

Yasuskiさん(以下Y):主に楽器を作ったり演奏をしたりしています。演奏はマルチ・チャンネルの音響システムを駆使する形態で、リアルタイム性を重視したものです。このシステムはIAMASの卒業制作を発展させたものです。
自分が本格的に音楽に接するようになったのは14歳の秋頃からでしたが、その翌年にはギターに繋ぐエフェクターを作ってました。20代に放送関係の仕事に寄り道した後、IAMASを経て音楽に帰ってきました。
数年前から現物の楽器造りに活動の軸足を移しつつありますが、何れにしても音楽活動が制限されてしまう今の御時世は厳しいです。

P:14歳頃に何故エフェクターを作ろうと思ったのでしょうか?

Y:当時は、電子工作関連の月刊誌が数冊出版されていて、偶にエフェクターの製作記事が載ることがありました。僕たちの生活していた空間では所謂ポピュラー音楽で使われる音響機材に触れる機会が全く無いために、エフェクターの効能については想像するしかありませんでしたが、流石に現物は子供が手を出せる価格ではなく、「だったら自分で造ってみよう」と思った人たち自分以外にもそこそこ居たようです。

P:電子工作関連の月刊誌を見て作っていた人たちが、今どうされているか興味あります(何人か心当たりが、、)。楽器製作や演奏活動で生きて行くってすごいことですが、このご時世は大変ですよね、、早くいい時世になって欲しいです。

Y:音楽系は「廻してナンボ」な生活をしている人たちが多く、かなり厳しいことになっているようです。幸い自分は「出る方」も「入る方」も少ないトホホ環境が幸いしてダメージはそれほどではありませんが、計画していたこと(ダメ元で海外への進出など)がほぼ全ておじゃんになってしまったのは痛いです。

P:それは辛いですね、、そのうち計画していたことがまた出来ることを願います。
Maker Fair Tokyo2019で展示されていた和音のでるデジタル・テルミンと、アフリカの楽器のデジタル版(エレキコラ
eKora)が素晴らしかったです。なぜ作ろうと思われたんでしょうか?

Y:世の中に存在しないものは「自分で作るしかない」のですが、製作に至る動機の半分は「これは使い難いな」的な既製品に対する不満を自らの手で解消することでした。特に、民族楽器はステージで扱うことが難しく、他の楽器の音圧に負けずに表現できる仕掛けを考え始めたことがオリジナル楽器を製作する切っ掛けとなりました。
資金の乏しい表現者が突っ込めるのは手間しか無いというのが現実なのですが、実はマインドに負荷を掛けずに手間をかけるコツは、「飽きたら放置する」という姿勢で、今も放置された複数のプロジェクトが並列に待機している状態です。
モチベーションが回復する「お告げ」が来たら、停止していたプロジェクトを再開する、といった感じでしょうか。

P:普通自分で作れないし、音もきれいで見た目もかっこよかったです。お告げはどんな時に来るんでしょうか?

Y:予兆は全くありません。が、生活の中のどこかにヒントは隠れているもので、そういったものを無意識にピックアップした結果なのかもしれません。基本的には、暇を持て余すことが大事ですが、不思議なことに忙しい時に何かを思いつくこともあります。これは個人的な体験というか感覚に過ぎませんが、アイデアを温められる場所というのがあり、そういった場所を見つけることが重要だと思っています。

P:演奏することと、楽器を作ることの両方がYasuskiさんにとっての音楽活動なんでしょうか?

Y:同義です。表現に対するアプローチはいろいろとあるので、自分が得意な分野を見つけてそれを伸ばせば良いと思います。

P:IAMAS時代はどんな活動をされていたのでしょうか?

Y:カリキュラムをこなすだけで精一杯だったと記憶しておりますが、苦手分野に対する知識の獲得とアプローチの方法、機械的な演奏を表現に昇華するための仕組みを考える過程だったと思います。
実は、仕事にかまけて暫くの間停止していた物理的なもの作りを入学後半年以上も経ってから再開したのですが、その切っ掛けは担当教官からの「アンプを作れないか?」というリクエストでした。
今思えば、これが本格的に楽器や音響機器を製作する活動に復帰した第一歩となりました。

P:アンプ作りも音響機器製作の節目になったんですね、担当教官は何先生だったんでしょうか?

Y:三輪眞弘先生です。いろいろとお世話になりました。そういえば、卒業後の一時期に真空管でギターアンプを作ることにハマっていたことがあります。

P:三輪先生だったんですね!なぜオリジナル楽器を作るようになったのでしょうか?

Y:先の回答と重なりますが、既製品に満足できない場合は既製品を改造するか、新しいものを作るしかありません。

P:最近はどのような活動をされているのでしょうか?

Y:デジタルテルミンで採用しているマイクロコントローラを高性能なものに換えたので、それに対する手当を行っていますが、これが一筋縄ではいかない代物で、連日プログラミングと試作機の実験に明け暮れております。

P:ずっと継続されているんですね!今後のYasuskiさんの活躍が楽しみです!楽しいお話をどうもありがとうございました。

Yasuski Engineering Web: http://audiohologram.sblo.jp/

Warabimochoja ワラビモ長者 Yasusuki EngineeringのLaVoixski(テルミン)とアフリカの楽器
https://youtu.be/G2Ycj5lVonM

Maker Fair Tokyo 2019|Yasuski Engineering
https://makezine.jp/event/makers-mft2019/m0159/

eKora(エレキコラ)アフリカの民族楽器の制作変遷
http://audiohologram.sblo.jp/article/99046980.html

イベント「しんしさくらく」公式
Yasuskiさんが参加するかもしれないイベントのtwitterページ
https://twitter.com/bunka0313