+たまたまインタビュー + vol.20「池田朗子さん」

時々寄稿しているメルマガ「ヌートリア通信」の記事をブログにも投稿することにしました

今回は、アーティストの池田朗子さんです。
国内外で視覚と認識の関係をテーマに、インスタレーション、映像、写真などさまざまなスタイルで作品を制作、発表されています。以前は名古屋周辺が拠点で、現在は大阪にいらっしゃいます。


フィリップ(以下P):「こんにちは、朗子さんの簡単な自己紹介をして頂けないでしょうか?」

朗子さん(以下A):「ご紹介いただきましたが、現在は大阪に住み、夫とその家族の経営するネオンサイン製作の工房(oncan)の仕事を手伝いながら、小三の男の子と三人で暮らしています。2011年に出産、育児をスタートし、同じ時期に工房も先代から夫へと代替わりして、ほぼ個人的な表現活動から遠ざかって生活しておりました。」

P:「旦那さんのネオン管のお仕事は世襲だったんですね! 個人的な表現活動時代はどんな活動をしていましたか? 私は朗子さんの著書-their site your sight-に出てくる一連の作品がすごく好きでした。」

A:「ありがとうございます。インスタレーションを中心に個展やグループ展で発表させていただいたり、デンマーク、スウェーデンでのアーティストインレジデンスで制作・発表をしました。その間に、作品集出版するチャンスもいただいたり、広告や雑誌のお仕事もさせていただいてました。」

P:「工房の手伝いや子育てをするようになってから、ネオンの作品などは作りましたか?あと考え方などは変わりましたか?」

A:「ネオンサイン製作は、出産後挑戦してみたのですが、容易ではありませんでした。繊細な素材のガラス管のネオンサインを納期までに作ると言うプレッシャーがキツくて、自分には合わないなぁと早々と退散しちゃって。不得意でしたが簿記の勉強をして経理を担当することにしました。今思えば、経理事務の作業はアートの仕事にとっても重要なのですが、当時は「自分とは無縁だったことをしている」と思っていました。家族の生活がかかっている事、産後直後だったこともあり、結構ストレスを感じてました。今も「綱渡り」なのは変わりませんが、以前の様に、お金を怖いとは思わなくなりつつあります。むしろ、個人事業主としてアートに関わっていく者にも、自分でマネジメントしていくために勉強しておく必要があったなと、自省も含め思うようになっています。

P:「マネジメント、大事ですよね(無知識で何も答えられず 汗)。
最近はどんな活動をしていますか?」

A:「アート関連の活動では、地元の先生が主宰する子どものためのアトリエ(アトリエ・グー)の造形のお手伝いのをさせて頂いたり、大阪の一般社団法人タチョナさん(http://touchonart.net)と市内の小中学校でのアートワークショップの講師をしています。最近になって育児から解放される時間も増え、工房内にある自分のアトリエを清掃しつつ、また絵を描いたり、文章を書いたりをポツポツとはじめました。」

工房きちでの制作風景

P:「アートワークショップって最近よく聞く気がします。10年くらい前と比べて教育の仕方が変わってきたような気がしますが、朗子さんはどう思いますか?」

A:「そうですね。制度や詳しいことは私もちゃんとわかっていませんが、現場の生徒さん達は昔より積極的に意見交換したりする様になっていて、コミュニケーションが上手だなと肌で感じます。学校の先生にそのことを伺うと、指導要項もどんどん変わり授業の中でも一方通行でなく、意見交換の機会を増やしているとの事でした。また、少し話がズレますが、私のワークショップでは撮影も行うのですが、以前より生徒さんたちはデジタル機器に慣れていて。学校のタブレットでもほぼ説明なく操作し、その撮影の方法や構図も大人より柔軟で『デジタルネイティブだ!』と、ワークショップ最後の作品発表の時は私の方が、その発想に刺激を受けています。」

P:「デジタルネイティヴの次の世代?ですもんね!最後に何か一言あればよろしくお願いします。」

A:「今現在、私自身、新型コロナウィルスの影響で、仕事の仕方や家族との距離や関係が変わっていっています。楽観的すぎるかもしれませんが、今までのスタイルや「こうでなければ」と思い込んでいた、自分の役割、生活スタイルや、距離とか場所を理由に出来ないと思い込んでいたことを変える機会になるかもしれない?と思っています。少しでも私自身の思考や行動、コミュニケーションが広がり、深まる様に意識して小さな挑戦をチマチマと続けていきたいと思っています!フィリップさんにも、また相談させてくださーい!(笑)」

P:「こちらこそよろしくお願いします!ありがとうございました!」

oncan(ネオンサイン工房)
http://ne-oncan.com

アトリエ・グー
http://atoriet-goo.blogspot.com

Touch On Art タチョナ
http://touchonart.net

書籍:光景 -their site your sight- 池田朗子
http://www.seigensha.com/books/978-4-86152-163-8